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物理学専攻 七村拓野 助教、三輪浩司 教授、ほか J-PARC E40実験グループが日本物理学会第31回論文賞を受賞
| ■受賞者 | 七村拓野 助教、三輪浩司 教授[物理学専攻 素粒子・核物理学講座 原子核物理グループ]、ほか J-PARC E40実験グループ |
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| ■賞名 | 日本物理学会第31回論文賞 |
| ■受賞論文 | "Measurement of differential cross sections for Σ⁺p elastic scattering in the momentum range 0.44-0.80 GeV/c" Prog. Theor. Exp. Phys. 2022, 093D01 |
| ■受賞理由 | 原子核物理学における大きな目的の一つは、原子核中の核子同士に働く相互作用を統一的に理解することである。半世紀にわたる核子間散乱実験データの蓄積により、その詳細は次第に明らかになってきた。一方で、ストレンジクォークを含む重粒子であるハイペロン(Λ粒子やΣ粒子など)と核子(陽子など)との間の相互作用については、いまだ十分に解明されているとは言えない。これは、ハイペロンの寿命が約0.1ナノ秒と極めて短く、ハイペロン―核子間散乱実験の実施が非常に困難であるため、これまで高精度な実験データが不足していたことに起因する。 本論文では、J-PARCの高強度ビーム環境下で動作する散乱粒子検出器を用い、Σ粒子と陽子の弾性散乱事象を従来の100倍以上の統計精度で検出することに成功し、微分断面積を高精度に測定した。特に、Σ+-p間のアイソスピン3/2、スピン1の状態については、クォークレベルに基づく理論において、クォーク間のパウリ排他原理による強い斥力が予言されている。しかし本論文は、理論で指摘されているほど強い斥力は実験的には現れないことを、初めて明らかにした。 本研究は、ハイペロン―陽子散乱という新たな実験技術を確立することで、ハイペロン―核子間相互作用の解明に重要な貢献を果たすものであり、今後の原子核物理学の発展に大いに寄与する成果である。以上の業績から、本論文は日本物理学会論文賞に値すると判断する。 |
| ■受賞日 | 2026年1月16日 |
| ■授与機関 | 日本物理学会 |
| ■リンク | https://www.jps.or.jp/activities/awards/ronbunsyo/ronbun31-2026.php |
Posted on:2026年2月 5日