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すばる望遠鏡の次世代補償光学の試験観測を開始

東北大学と国立天文台が協力して開発を進めるすばる望遠鏡の次世代の補償光学「ULTIMATE-START(アルティメット・スタート)」の試験観測が2025年12月に行われました。ハワイのマウナケア山にあるすばる望遠鏡のように、地上の望遠鏡から宇宙を観測する際の大きな問題が「大気の揺らぎ」です。星の光は、かげろうのように揺らぐ大気を通ることでゆがみ、ぼやけた像になります。この問題を解決するのが「補償光学」です。大気の揺らぎをリアルタイムで測定し、特殊な鏡の形状を瞬時に変形させることで大気によるゆがみを打ち消します。従来はレーザー光を上空に打ち上げて人工の「レーザーガイド星」を1つ作り、それを基準に大気の揺らぎを測定していました。ULTIMATE-STARTで実現する「レーザートモグラフィー補償光学」では、複数のレーザーガイド星からなる「星座」を上空に生成し大気の揺らぎを3次元的に測定します。これにより、従来の1つのレーザーガイド星より高い精度で大気の揺らぎを補正し、宇宙をシャープに観測することができるようになります。試験観測についてくわしくは国立天文台すばる望遠鏡のウェブサイトよりリリースされています。



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図1:レーザーガイド星を用いた大気揺らぎ補正の模式図。左が1つのレーザーガイド星、右が4つのレーザーガイド星を用いたレーザートモグラフィー補償光学の場合。緑の線は観測天体からの光、オレンジの線は高度 90キロメートル付近に作られたレーザーガイド星からの光を表します。灰色の円盤は天体からの光が通過する大気の領域(上から高度10キロメートル付近の高層、5キロメートル付近の中間層、地表付近の地表層)を表します。4つのレーザーガイド星を使うことで、大気揺らぎの測定領域(斜線の円盤)が広がるとともに、様々な高さにある大気揺らぎを分解して推定できます。(クレジット:東北大学・秋山正幸)



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東北大学大学院理学研究科天文学専攻[web]
教授 秋山 正幸(あきやま まさゆき)
電話:022-795-6511
Email:akiyama[at]astr.tohoku.ac.jp
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